並んでゆけない淋しい気持ちは

KA嬢とKN嬢と、KN嬢のおうちで鍋パーティをすることになった。
お誕生日会兼クリスマス会兼新年会。
毎年の恒例行事になっていて、とても楽しみにしていた。
それぞれ忙しくて、なかなか3人で会えないから、
積もる話もあるし、本当に楽しみにしていたのだ。


だけど、今年は、3人じゃなかった。


KA嬢と駅で待ち合わせをしてKN嬢のおうちに行ったら、
KN嬢の新しい彼氏が来ていた。
わたしとKA嬢は当然初対面。
びっくりしたし、邪魔しちゃったかなって思ったし、
何より悲しかった。


どうして、彼氏がいるんだろう。って思った。


付き合っていることに反対というわけではなく
ただ単に、約束したのに、
どうして彼氏を呼んだんだろうって思った。
もともと今日は彼氏とデートなんだって言っていたけど、
でも夕方からなら大丈夫だよって
うちにおいでよって言ったのは彼女なのに、
毎年のことなのに、彼女にとっては
わたしやKA嬢が思っているほど
このイベントを楽しみにしていたわけじゃないような気がして
ひどく気をそがれた。


邪魔はしませんから、って彼氏さんは言っていたけど、
帰るそぶりを見せるではなし、ベッドの上でゴロゴロテレビを見ていて
1Kの小さな部屋で、彼氏さんをひとり外して
3人で仲良く鍋をつつくことなんて、とてもじゃないけどできないこと。
邪魔しない、というならわたしたちが来た時点ですぐ帰るべきだったし、
KN嬢も帰るように促すのが本当だったんじゃないかなぁ。
いくら親友の彼氏だからって言ったって、気をつかわないわけないのに、
そんなこともわかんないコだったんだろうか。
どうぞ一緒に、って引き止めた言葉が心の底からだったなんて、
ほんとにそんなふうに思えたんだろうか。




呼ぶんなら呼ぶって言って欲しかった。
来てたんなら帰ったらよかったねって、
邪魔しちゃって悪かったねなんて、帰り道で思わせるようなこと、
どうしてしたの。