味のない朝のパンを無理にミルクで流し込んでは

残業中。


運良く、課長とふたりになったタイミングを見計らって、
「課長、ちょっといいですか?」と、声をかけました。
「なんだ?」とモニターから目を離さない課長に、
「ちょっとそっちでお話したいんですけど」と、
ミーティングスペースへ誘導。
「まぁまぁ、座ってください」と、あまりにも気軽にわたしが言うので、
わたしが告げた内容は、彼の予想を超えるものだったようです。


「あの、以前にも、病院に通ってるってお話、したことあったかと思うんですが」
「うん、聞いたね」
「実は、鬱、と診断されてまして」
「鬱!?」
課長、慌てたようにきょろきょろっと周りの事業部の様子を伺ってから、
おもむろに小声で、
「鬱って、あの鬱?」
「はい、たぶん、その欝です」
「躁鬱の、鬱?」
「はい。・・・それで、お医者さまには、休職を勧められているんですけど」
あくまで淡々と話を進めてゆくわたしに、
多少あっけにとられつつ、課長は、
「まあ、うちの会社にも何人かいたよ・・・」
と、フォローしてくださいました。
「症状は? 大丈夫なの?」
「朝より夕方のほうが元気なので、できれば、午後出勤にして頂きたいんですが」
「それはかまわないけど、薬とかは?」
「何種類か頂いてるので、飲んでるんですけど、どうしても波があって」
「そうだろうなあ・・・。」
「それで、手続きのことなどご相談したくて」
「それなら、人事の担当の人に直接聞いたほうが早いから。
 俺には承諾もらったって書いて、メールして」
「はい。・・・ご迷惑かけて、すみません。」
「いや、それはいいんだけどさ。主幹と部長と相談して、仕事はどうにでもなるから」
「ありがとうございます」


というわけで、上長への申し出は、なんなく終了。
結婚か退職か、と考えていたようで、びっくりしてました。


その後、人事の担当者に、メール。
「休職したいので、手続き等ありましたら、教えてください」


いよいよ、休職。
少しでも良くなるように、との計らいだけれど、
果たして元のように働くことができるのか、不安でいっぱいなのも、本当の気持ち。