そんなにうまく愛を演じないでね
妹と、池袋サンシャイン劇場で舞台を観てきました。
G2と松尾貴史のユニット、AGAPE Storeの
「記念しない」第10回公演、『仮装敵国』です。
7人の脚本家が作った7つの短編を7人の役者が演じる
というオムニバスな舞台で、1作品15分間。
作品の面白さもあって、ショートコントみたいでした。
式次第。
■ 長塚圭史 『素晴らしい愛をもう一度』
自爆テロにあって死亡したバスの乗客。
その中にいる妻の遺体に会いにきた夫。
しかし、死んだはずの妻がなぜか起きあがり、浮気をなじられ、
さらに他の遺体たちも次々と目覚めてしまい、夫を責める。
夫婦の想いが噛み合わず、すれちがっていたことに気づいた夫は、
妻を抱く。
タイミング的に、電車事故のことが脳裏をよぎって
不謹慎、とも思ってしまって、ちょっと後味が悪かった・・・。
面白かったし、夫婦愛なんだけれど、
どこか狂気が見え隠れしているなあ、と。
■ 倉持裕 『MEAT DOLL』
自己啓発セミナーに参加した3人。
恥ずかしいこと、格好悪いことは、「自分」ではなく、
「自分を包む肉体=肉人形」がしていることだというセミナーを受け、
なぜか自分ではなく、他人の肉体を動かせるようになってしまう。
「これはワタシの肉人形です!」というあの台詞が
あのポーズとともに、忘れられません(笑)
■ 井手茂太(振り付け師)作品
■ 土田英生 『潜入』
敵方の殿様を暗殺する命を受け、城に潜入しようとする忍者7人。
ところが、いよいよになって、男女問題で大揉め。
それをきっかけに、実は自分はスパイだったと
一人、また一人と正体を現していく。
オチは7人全員がスパイだったというもの。
コング桑田がくのいち役に扮して女装しているのだけど、
ミニスカートで立て膝だったので、中が見えそうでハラハラしました(笑)
■ 千葉雅子 『危険がいっぱい』
元猟師、で今は掃除夫の男二人。
マイペースな新人の身の上話を、ちゃちゃを入れながら聞くが
話はだんだん深刻になり、態度を変えたところで
新人が突然死んでしまう。
■ 故林広志 『理想の部屋』
核シェルターの中での、要人たちの会議。
盗聴器が仕掛けられていたため、
会議はすべて男女関係に置き換えられた暗号で進められる。
そこへ官房長官の恋人が乱入し、
偶然にも暗号と同じ言葉で日頃の不満をぶちまけてしまい
戦争へと突入してしまう。
「北のあのコと南のあのコ」=北朝鮮と韓国?
「夜景の見えるレストラン」=会談?
「ラブラブ」=核発射?
■ 後藤ひろひと 『ONE ARMED FORCES』
爆弾を抱えて、なぜか塀の上にいる兵士。
そこへ、ニトログリセリンを持った兵士が現れる。
ニトロを置き、爆弾を受け取ろうとするが
ニトロ兵士は片腕を負傷しているため、なかなかうまく受け取れない。
そこへ衛生兵が現れたので、
ニトロ兵士は衛生兵を振動に強い梯子に上らせ、ニトロを預け、
自分は衛生兵の持っていた消毒液で手当てしようと、
消毒液の蓋を開ける。
そこへ女性兵が現れ、消毒液の入った瓶の口を慌ててかぶせ
細菌兵器が仕込まれていることを告げる。
遠くに投げてしまった瓶の栓を拾うべく、
ニトロ兵士は体勢を変えようとするが
その拍子に地雷を踏んでしまい、にっちもさっちもいかなくなってしまう。
■ ケラリーノ・サンドロヴィッチ 『スポンサー』
2時間サスペンスの撮影現場。
当初は毒殺ネタのドラマだったはずが、
製薬会社がスポンサーについたことでお流れとなり、
次のバナナの皮で滑って死亡ネタも、脚本家のOKが出ず、
しまいにはタランチュラで毒殺・・・のはずが
なぜか頭の栓を抜かれてしまう、などとはちゃめちゃに。
最後に、これまでのお話のネタがどんどん盛り込まれていくところが
うわーってシャワーみたいで気持ちよかったです。
映像で見える気がしました。重なってゆくところとか。
全体的にシュールでブラックなオムニバスでしたけれど
面白かった! 盛りだくさん! と手放しで楽しめた舞台でした。
全体的に「戦い」がどこかでからんでいたので、
これがタイトルの「敵国」なのかな、と。
舞台後、お買い物をして
妹のバースデイプレゼントに、カーディガンとカットソーを買いました。
私も黒いキャミソールを買って、アジアンキッチンでごはん。