そんなにうまく愛を演じないでね

gekritzel2005-06-11

妹と、池袋サンシャイン劇場で舞台を観てきました。
G2と松尾貴史のユニット、AGAPE Storeの
「記念しない」第10回公演、『仮装敵国』です。
7人の脚本家が作った7つの短編を7人の役者が演じる
というオムニバスな舞台で、1作品15分間。
作品の面白さもあって、ショートコントみたいでした。


式次第。
■ 長塚圭史 『素晴らしい愛をもう一度』
 自爆テロにあって死亡したバスの乗客。
 その中にいる妻の遺体に会いにきた夫。
 しかし、死んだはずの妻がなぜか起きあがり、浮気をなじられ、
 さらに他の遺体たちも次々と目覚めてしまい、夫を責める。
 夫婦の想いが噛み合わず、すれちがっていたことに気づいた夫は、
 妻を抱く。
 タイミング的に、電車事故のことが脳裏をよぎって
 不謹慎、とも思ってしまって、ちょっと後味が悪かった・・・。
 面白かったし、夫婦愛なんだけれど、 
 どこか狂気が見え隠れしているなあ、と。


■ 倉持裕 『MEAT DOLL』
 自己啓発セミナーに参加した3人。
 恥ずかしいこと、格好悪いことは、「自分」ではなく、
 「自分を包む肉体=肉人形」がしていることだというセミナーを受け、
 なぜか自分ではなく、他人の肉体を動かせるようになってしまう。
 「これはワタシの肉人形です!」というあの台詞が
 あのポーズとともに、忘れられません(笑)


■ 井手茂太(振り付け師)作品


■ 土田英生 『潜入』
 敵方の殿様を暗殺する命を受け、城に潜入しようとする忍者7人。
 ところが、いよいよになって、男女問題で大揉め。
 それをきっかけに、実は自分はスパイだったと
 一人、また一人と正体を現していく。
 オチは7人全員がスパイだったというもの。
 コング桑田がくのいち役に扮して女装しているのだけど、
 ミニスカートで立て膝だったので、中が見えそうでハラハラしました(笑)


■ 千葉雅子 『危険がいっぱい』
 元猟師、で今は掃除夫の男二人。
 マイペースな新人の身の上話を、ちゃちゃを入れながら聞くが
 話はだんだん深刻になり、態度を変えたところで
 新人が突然死んでしまう。

 
■ 故林広志 『理想の部屋』
 核シェルターの中での、要人たちの会議。
 盗聴器が仕掛けられていたため、
 会議はすべて男女関係に置き換えられた暗号で進められる。
 そこへ官房長官の恋人が乱入し、
 偶然にも暗号と同じ言葉で日頃の不満をぶちまけてしまい
 戦争へと突入してしまう。
 「北のあのコと南のあのコ」=北朝鮮と韓国?
 「夜景の見えるレストラン」=会談?
 「ラブラブ」=核発射?


■ 井手茂太・佐藤史朗(音楽家)作品


■ 後藤ひろひと 『ONE ARMED FORCES』
 爆弾を抱えて、なぜか塀の上にいる兵士。
 そこへ、ニトログリセリンを持った兵士が現れる。
 ニトロを置き、爆弾を受け取ろうとするが
 ニトロ兵士は片腕を負傷しているため、なかなかうまく受け取れない。
 そこへ衛生兵が現れたので、
 ニトロ兵士は衛生兵を振動に強い梯子に上らせ、ニトロを預け、
 自分は衛生兵の持っていた消毒液で手当てしようと、
 消毒液の蓋を開ける。
 そこへ女性兵が現れ、消毒液の入った瓶の口を慌ててかぶせ
 細菌兵器が仕込まれていることを告げる。
 遠くに投げてしまった瓶の栓を拾うべく、
 ニトロ兵士は体勢を変えようとするが
 その拍子に地雷を踏んでしまい、にっちもさっちもいかなくなってしまう。


■ ケラリーノ・サンドロヴィッチ 『スポンサー』
 2時間サスペンスの撮影現場。
 当初は毒殺ネタのドラマだったはずが、
 製薬会社がスポンサーについたことでお流れとなり、
 次のバナナの皮で滑って死亡ネタも、脚本家のOKが出ず、
 しまいにはタランチュラで毒殺・・・のはずが
 なぜか頭の栓を抜かれてしまう、などとはちゃめちゃに。
 最後に、これまでのお話のネタがどんどん盛り込まれていくところが
 うわーってシャワーみたいで気持ちよかったです。
 映像で見える気がしました。重なってゆくところとか。


全体的にシュールでブラックなオムニバスでしたけれど
面白かった! 盛りだくさん! と手放しで楽しめた舞台でした。
全体的に「戦い」がどこかでからんでいたので、
これがタイトルの「敵国」なのかな、と。




舞台後、お買い物をして
妹のバースデイプレゼントに、カーディガンとカットソーを買いました。
私も黒いキャミソールを買って、アジアンキッチンでごはん。