自慢していいか?

gekritzel2006-02-04

舞台『レインマン』を観てきました。
ホールは東京グローブ座
出演は椎名桔平橋爪功朴璐美、大森博史です。
演出・脚本は、『胎内』も演出した鈴木勝秀氏。
照明の感じが、独特の雰囲気だなぁ、どこかで・・・? 
と思っていたら
『仮装敵国』や『胎内』も手がけていた倉本泰史氏でした。
納得。


世界初の舞台化ということで
いろいろなところで取り上げられていて、とても楽しみにしていました。
映画のほうは観たことなくて、
だいたいのあらすじしか知らなかったので、
映画と比べることなく、新鮮な気持ちで入り込めたと思います。


弟チャーリーはやり手のネットトレーダー。
父親から愛されずに育ったと思い込んで、孤独の中に生きています。
信じられるものはお金だけ、と言い切るチャーリーに、
恋人スザンナとの仲もぎくしゃくしています。
そんな中、突然聞かされた父親の訃報。
自分に残された遺産は、父親の大事にしていた古い車とバラ園。
財産の大部分は、存在さえ知らなかった兄、レイモンドに譲られました。
その兄、レイモンドは自閉症という病気だったのです。
レイモンドは、電話帳の電話番号、円周率などをそらで言えてしまう
抜群の記憶力を持っている天才でした。
しかし、同じことが全て正しい、という観念の中にいて、
食事のメニューも、一日のスケジュールも、決められたこと以外をしようとすると
パニックに陥ってしまいます。
チャーリーは、財産を目当てに、レイモンドを誘拐まがいで連れ出します。
長距離バスでの旅の間に、チャーリーは、
レイモンドが、子供の頃唯一の味方になってくれ、
孤独を癒してくれた想像上の友人「レインマン」であったことを知り、
次第に心を開いてゆくのです。
そしてレイモンドもまた、次第に弟に信頼を寄せていくのでした。


最初は絆のかけらもない兄弟だったのに、物語が進むにつれ、
みごとに兄弟愛が浮かび上がっていました。
感動です。
重いテーマですが、まじめなだけの舞台ではなくて、
どたばたな部分では笑いもあったし、アドリブらしきシーンもありました。
サッカーのリフティングを二人で行うシーンがあったのですが
10回続けて、の部分があまりにもスムーズにいったせいか
20回、となったのだけれど、それが成功したときの喜びっぷりは
絶対素だったと思う(笑)


弟を本当に愛していて、大事に大事に思っているレイモンドの
レインマンはチャーリー・バビットを絶対に忘れない」という言葉。
レイモンドに、「一緒にいてくれるだけで、人間らしく生きられる気がする」というチャーリー。
家族、兄弟、
そこにいるだけでいい存在。
涙が、止まりませんでした。


最後、レイモンドとチャーリーが別れる場面で
泣くチャーリーの頭を、不器用にレイモンドが撫ぜるのです。
愛情のこもった、兄弟ならではのしぐさですよね。
ついついわたしも、妹の頭を撫ぜてしまい
「何するの〜」とあしらわれてしまいました。
冷たいなぁ・・・。