強い雨も風も笑いながら受けて

妹が、会社の帰りに泊まりにきた。
凄い雨と風。
外に一歩も出ないで、ずっと横になっていたから
彼女のトレンチコートの濡れ具合にびっくり。


双子のように育ってきた、ひとつしか違わない妹。
でも、やっぱり妹は妹で、
わたしはあれこれと世話を焼いて、彼女はそれを当然のように甘える。
でも、今は、
勝手知ったるわたしの部屋で彼女はさっさと支度をし、
わたしを追い立てるように寝る準備まで連れてゆく。
思いがけない手際のよさ。


あれこれと干渉せずにいてくれる、
気の知れた誰かがそばにいるのは、心地いい。
繭の中のようなぬくもり。


窓の外は風がやんで、雨の音だけがシャワーのよう。
水たまりを車が走り抜ける音。
今夜は十五夜だったけれど、月は重い雲の中。
目隠しされて。


明日は、晴れますように。