どうして僕らはこんなに息苦しい生き方選ぶの?

gekritzel2007-01-08

近所のシネコンで映画三昧。


まず観たのは、彼のリクエストで『エラゴン〜遺志を継ぐ者』。

『ロード・オブ・ザ・リング』や『ハリー・ポッター』などに代表される、
魔法ファンタジーものの映画です。
展開が早くて、途中ついていけないところもありましたが
全体的には面白かったです。
続きも観てもいいかな、という感じ。
ただ、主人公に関わりを持つひとびとが次々と死んでしまうのに、
主人公はまったくの無傷だったり、
簡単に呪文を覚えて使いこなしてしまったり、
あまりにも主人公に都合よく展開していくので
それが気になると言えば、そうかもしれません。
あと、「それはどう考えてもわがままだろう」と突っ込みたくなるシーンもちょっと。
でも、主人公は農家の息子で、勇気はあるけれど愚かで、
どこにでもいるただの青年、という設定らしいので、それはそれでいいのかな?


次に観たのは、『大奥』。

エラゴン』とのあまりの差に、笑ってしまうほど。
着物もセットもすべてが贅沢に出来ていて、
女優さんたちも「このひと!」というひとがずらりと並んでいて、
いろんな意味で、絢爛豪華な世界をみられました。
実際にあった『絵島生島事件』をモチーフにしているのですが、
絵島役の仲間由紀恵が、だんだん恋を知っていく様子を好演していて
凄く良かったです。
相手の生島役の西島秀俊も、男っぽい色気があって素敵でした。
及川光博(間部役)の色気とはまた違うんです。
絵島や、絵島の腹心の藤川(中山忍)の忠誠心も、
月光院(井川遥)のはかなさも弱々しさも、
対立する天英院(高島礼子)の強さも、
天英院に味方する蓮浄院(松下由樹)の計算高さも、
天英院の腹心である宮路(杉田かおる)や滝川(浅野ゆう子)のしたたかさも、
全て女が持っていて、女の中に隠されているもの。
「女って怖いな」と思うと同時に、「女って哀しいな」と思いました。
わたしもひとりの女なわけだけれど、
誰の立場に立ってみても、
きっと同じように愛したり悲しんだり憎んだりするだろうと思うから。
ただ、藤田まことはどうしても仕事人にみえてしまって困りました(笑)
最初にキャストが流れるのですが、柳葉敏郎の名前が出てくるので、
期待して観ていたら、最後の最後で「ここで!?」という感じで
それもまた面白かったです。


シネコンを出たら、外はすっかり夜で、
イルミネーションが寒さの中、きらきらきれいでした。
ファンタジー世界にも江戸時代にも、するりと入り込んで、
つかの間を過ごしたけれど。
でも、わたしが生きるのは、このはりつめた空気の現在。