今僕が生きているということは

gekritzel2007-01-11

『人体の不思議展』を観てきました。


プラストミック標本、という新しい技術を使った標本の展示会で、
展示されている標本は、骨も筋肉も血管も内臓も、
すべて本物なんだそうです。
そして、標本にされたのは、
すべて生前からの意志による献体であるということです。
医学の発展のために、これからの人類のために。
頭が下がる思いで、厳粛な気持ちで観てまわりました。


標本は何種類もあって、
全身標本はもちろんのこと、
筋骨格系・頭部・神経系・消化器系・呼吸器系・循環器系・泌尿器系・生殖器系、
そして胎児の標本までありました。
特筆すべきは、通常CTスキャンでしか見ることのできない体の断面を、
標本が『全身の連続断面標本』として再現されていること。
そして、標本に実際に触れることができること。


どんなふうに筋肉が動いて運動するのか、
どんなふうに血液が体の中を流れているのか、
タバコやお酒、暴飲暴食がどんな害をもたらすのか、
改めて考えるいいきっかけになりました。
タバコによる肺ガンの標本は、
タールが細胞の小さな穴まで浸透し、やがて塗りこめたように真っ黒な状態でした。
お酒の飲みすぎによる肝硬変の標本は、
肝臓が通常よりも小さく硬くなり、
逆に脂肪肝は、通常の2倍以上にまで肥大していました。
そして、胎児。
3ヶ月ではまだ、鳥のヒナとも区別のつかないようなものが、
4ヶ月では指ができ、胴体と足ができ、
5ヶ月ではもう目ができて、人間の赤ちゃんだ、とはっきりわかります。
いつか親になるであろう者として、いのちを生み育てていく者として、
涙が出そうでした。


わたしの神経は、どこかおかしくなってしまっていて、
それはまだ解明されていない病気です。
でも、体は弱くはあるけれど、とりあえず悪いところはありません。
こうして生きていることは、奇跡のようなことなのです。
観ることにためらいはあったけれど、観てよかったと思えました。




でも。
しばらく、ジャーキー系統のものは食べたくないです・・・正直言って(笑)