今僕が生きているということは
『人体の不思議展』を観てきました。
プラストミック標本、という新しい技術を使った標本の展示会で、
展示されている標本は、骨も筋肉も血管も内臓も、
すべて本物なんだそうです。
そして、標本にされたのは、
すべて生前からの意志による献体であるということです。
医学の発展のために、これからの人類のために。
頭が下がる思いで、厳粛な気持ちで観てまわりました。
標本は何種類もあって、
全身標本はもちろんのこと、
筋骨格系・頭部・神経系・消化器系・呼吸器系・循環器系・泌尿器系・生殖器系、
そして胎児の標本までありました。
特筆すべきは、通常CTスキャンでしか見ることのできない体の断面を、
標本が『全身の連続断面標本』として再現されていること。
そして、標本に実際に触れることができること。
どんなふうに筋肉が動いて運動するのか、
どんなふうに血液が体の中を流れているのか、
タバコやお酒、暴飲暴食がどんな害をもたらすのか、
改めて考えるいいきっかけになりました。
タバコによる肺ガンの標本は、
タールが細胞の小さな穴まで浸透し、やがて塗りこめたように真っ黒な状態でした。
お酒の飲みすぎによる肝硬変の標本は、
肝臓が通常よりも小さく硬くなり、
逆に脂肪肝は、通常の2倍以上にまで肥大していました。
そして、胎児。
3ヶ月ではまだ、鳥のヒナとも区別のつかないようなものが、
4ヶ月では指ができ、胴体と足ができ、
5ヶ月ではもう目ができて、人間の赤ちゃんだ、とはっきりわかります。
いつか親になるであろう者として、いのちを生み育てていく者として、
涙が出そうでした。
わたしの神経は、どこかおかしくなってしまっていて、
それはまだ解明されていない病気です。
でも、体は弱くはあるけれど、とりあえず悪いところはありません。
こうして生きていることは、奇跡のようなことなのです。
観ることにためらいはあったけれど、観てよかったと思えました。
でも。
しばらく、ジャーキー系統のものは食べたくないです・・・正直言って(笑)