最初からわかりきってたの わざと騙されてみたかっただけ

gekritzel2007-01-13

『スーパーエッシャー展』を観てきました。


最終日ということもあってか、
入場はチケットを持っているひとでさえ2時間待ち。
でも、待っている間に、こんな素敵なものを見つけました。
 紙でできたエッシャー展のモチーフ
 ひこうき雲


いざ会場に入れたはいいものの、当然すし詰め状態。
さすがにわたし、これには耐えられず、
途中で、気持ち悪くなってダウン。
幸い、会場内にソファがあったので
そこに座って、気が遠くなってしまってました・・・。
主催者側のひとが、何回か「大丈夫ですか?」と聞いてくれるものの
それにも答えられないくらい。
無理は駄目だなぁ、やっぱり。


さて。
エッシャー展ですが、面白かったです。
ニンテンドーDS Liteが音声ガイドになっているの。
任天堂、やるなぁ。
そして、有名ないくつかの作品も生で見られて良かったです。
 「上昇と下降」
 「バルコニー」
 「滝」
 「天国と地獄」
 「相対性」
 「物見の塔」
 「昼と夜」


途中から、モチーフとなるものが昆虫とか蛇とかになってきて、
それがまたとても精確に描かれているものだから、
違う意味でも気持ち悪くなりましたが(笑)
エッシャーというひとは、最初は建築家になりたかったのに、
天分の才能を見込まれて版画家になったひとなんですね。
だから、あんなにきっちりと図面が描けるんだなぁ、と、習作を見て思いました。
エッシャーの絵は、CGに似ています。
いや、本当は逆なのだけれどね。
CGが、エッシャーの後を追う、と言ったほうが正しいのでしょうけれど。
それでも、わたしは、最後まで「CGアートみたい」という感想を持っていました。
今の技術だったら、たやすくできてしまえるような騙し絵。
それを描けたというのは、やはり才能というしかないのでしょうね。


そして、エッシャーの騙し絵には、必ずどこか矛盾があるのです。
矛盾があるから、騙される。
でも、どんなに観ても、その矛盾を見抜くことができないのです。
それは、
人間の目というものが、全体と細部を一度に細かく認識できないから。
全体を見て正しいようでも、よく見ると錯覚していることに気がつく。
ここに、絶対的な矛盾があるのです。
それを見抜いたエッシャーは、
いったい、どんな視線で世界を見ていたのでしょう?


今回は、ハーグ市立美術館からの貸し出しが多かったようで、
実際に、壁をエッシャーの絵で埋めた建物などの写真などもあって、
実際に見てみたくなりました。
ハウステンボスにも何点かあるというし、
ぜひ (できれば、今度はゆっくり!) 観たいものです。